【パロディ】シンデレラのワンシーン [東方神起]
ドアラがバク転に失敗したという記事を見ながら、チャンミンのことを思い出しました。
八の字眉とつぶらな瞳、大きな鼻、耳、さらにはぷくぷくほっぺまで。要素を抜き出すとチャンミンそのものだと思うのですが、いかがでしょうか。中日の始球式に登場して、ドアラと奇跡の共演とかしてくれないものでしょうか……ないな。
さて。
先日、飲み屋のカウンターで友人を待ちながらチマチマとメモした「東方神起×シンデレラ」パロディをこちらに残しておこうと思います。
そのときパラパラと眺めていた韓国語講座のテキストに、「シンデレラ」のお話が掲載されていたんですね。ただ待つのも退屈だったので、酒を飲みながらですね、なんとなくキャラクターをユノとチャンミンに置き換えてみたというものです。
ワンシーンだけなので、オチもへったくれもないんです。黒歴史にまた1ページ……
↓以下
城では今夜、王家主催の舞踏会が盛大に催される。なんでも王子の花嫁候補を探すためだとかで、国を挙げてのお祭り騒ぎ。年頃の娘を持つ貴族は殺気立ってすらいる。
チャンミンの義姉たちも例外ではなく、最大級の期待を胸に、鼻息荒く馬車に乗り込み出かけていった。遠ざかる馬車を眺めてチャンミンは、城から招待状が届いてからの怒濤の日々を思いだし、やれやれと伸びをした。
舞踏会は明け方まで行われるという。それまでは、義母や義姉たちのやかましい声も、わがまま放題の命令も聞かずに済む。そう思うと、自然と鼻歌がこぼれた。
「チャンミン、楽しそうだね」
ふと上から声が降ってきて、見上げるとそこには、幼なじみのユノが箒にまたがり笑っていた。
「ユノ、どうしたの」
声をかけると、ユノは軽やかな身のこなしで箒から飛び降りた。昔から運動神経が良くて、何気ない所作がいちいち決まっている。それがチャンミンには毎度おかしくて仕方がない。
「義姉さんたちがちょうどいま、舞踏会に……って、なに」
突然ユノがチャンミンのほうに手を伸ばしてきたので、チャンミンは緊張して少し身を固くした。
ユノはひどく真剣な顔をして、服の袖でチャンミンの頬を繰り返しそっと撫でる。くすぐったくて顔を揺らすと、「動かないで」と言うようにユノは左手をチャンミンの右頬に添えた。
こういうときは何を言っても無駄なので、しばらく好きにさせることにする。案の定、まもなくユノは「あれ」とつぶやいて手を離し、照れくさそうにくしゃりと笑った。
「よけい広がっちゃった」
「なにが」
「ああ、よごれがついてて。とれるかと思ったんだけど」
「……またか!」
煤や灰は下手にこすると汚れが広がるだけ。チャンミンはもう何度かユノに伝えているはずなのに、一向に学習する気配がない。
「まあ、いいです」
「あれ」
「それより、ユノ。きょうはどうしたの」
いつもはガミガミ言うチャンミンがあっさりと許したので、ユノは一瞬きょとんとした顔をしたものの、表情を改めて
「実はね」
と胸を反らして言うことには。
「チャンミン、舞踏会に行きたいでしょ?」
「……お?」
「チャンミン、かわいいから、きっと王子さまに見初められるよ!」
目をキラキラさせて満面の笑みを浮かべているユノを見つめ返しながら、チャンミンは昔のことを思い出していた。
ユノはもともと、チャンミンの家に仕える家令の息子だった。父親同士が主従関係にあるとはいえ、年も近かったこともあり、二人は兄弟のようにいつも一緒にいた。
なにがきっかけだったのかは、チャンミンには分からない。妹たちに、二人で絵本を読んであげたときだった。
悪い魔法使いに囚われた姫を、良い魔法使いの協力を得た王子が救い出すという話を読み終えた後、いきなりユノが「魔法使いになる」と宣言したのだった。
ユノは有言実行の男である。
あれよあれよというまに、領内でもっとも有名な魔法使いに弟子入りし、「才能がないから諦めろ」という周囲の制止をはねのけて努力に努力を重ねた結果、いまでは魔法使いの一番弟子として活躍している。
「絶対に魔法使いになるから」帰省するたび囁かれる誓いの言葉。「だから、心配しないで。まっててね」
その目があんまりまっすぐチャンミンを射抜くので、結局いつもチャンミンは「お姫さまを救うのは、王子さまだよ」とは言えなかったのだった。
なんだ、ちゃんと分かってたのか。そりゃそうか。
「別に行きたくありません」
「え、なんで」
「興味ないし」
「遠慮しなくていいんだよ、ぼく、もう立派な魔法使いだから!」
「そこじゃなくて…」
王子さまに見初められたいわけじゃない。ていうか、そもそも……言いかけて、沸き上がった思いにチャンミンは口を閉ざす。
おれが幸せにするって、なんで言えないかな、この人は。それとも、言いたくないのかな。
少し切なくなったチャンミンは、うじうじした思いに蓋をすることにした。
「…ほんとうに、舞踏会に行ける?」
「もちろん!」
「じゃあ、とびきりかわいくしてくださいね」
そう言って上目遣いでユノを見上げれば、ユノはすっと顔をそらし、「まかせて」と言って笑った。
ユノ、ここは突っ込んでほしいところなんだ。
チャンミンは小さくため息をついてから、切り出した。
「ユノ、でも、俺、男なんだけど」
「…あ」
ユノは一瞬ぽかんとしたあと、目元を手で覆って「しまったあ」と情けない声を上げた。
しまったじゃないよ、もう
笑いだしたユノにつられてチャンミンも笑い出すと、調子の乗ったユノが抱きついてきたのでチャンミンはいつもどうり「はなせ!」ともがいて怒鳴るはめになる。
「ねえ、でもほんとうに舞踏会に行きたくない?」
「だから…」
「おいしいご飯とかお酒とか、たくさんあると…」
「行く」
チャンミンは、ユノの言葉にあっさり心変わり。ユノはにっこり微笑んで、「じゃあ、準備しないとね」とウィンクした。
↑以上
八の字眉とつぶらな瞳、大きな鼻、耳、さらにはぷくぷくほっぺまで。要素を抜き出すとチャンミンそのものだと思うのですが、いかがでしょうか。中日の始球式に登場して、ドアラと奇跡の共演とかしてくれないものでしょうか……ないな。
さて。
先日、飲み屋のカウンターで友人を待ちながらチマチマとメモした「東方神起×シンデレラ」パロディをこちらに残しておこうと思います。
そのときパラパラと眺めていた韓国語講座のテキストに、「シンデレラ」のお話が掲載されていたんですね。ただ待つのも退屈だったので、酒を飲みながらですね、なんとなくキャラクターをユノとチャンミンに置き換えてみたというものです。
ワンシーンだけなので、オチもへったくれもないんです。黒歴史にまた1ページ……
↓以下
城では今夜、王家主催の舞踏会が盛大に催される。なんでも王子の花嫁候補を探すためだとかで、国を挙げてのお祭り騒ぎ。年頃の娘を持つ貴族は殺気立ってすらいる。
チャンミンの義姉たちも例外ではなく、最大級の期待を胸に、鼻息荒く馬車に乗り込み出かけていった。遠ざかる馬車を眺めてチャンミンは、城から招待状が届いてからの怒濤の日々を思いだし、やれやれと伸びをした。
舞踏会は明け方まで行われるという。それまでは、義母や義姉たちのやかましい声も、わがまま放題の命令も聞かずに済む。そう思うと、自然と鼻歌がこぼれた。
「チャンミン、楽しそうだね」
ふと上から声が降ってきて、見上げるとそこには、幼なじみのユノが箒にまたがり笑っていた。
「ユノ、どうしたの」
声をかけると、ユノは軽やかな身のこなしで箒から飛び降りた。昔から運動神経が良くて、何気ない所作がいちいち決まっている。それがチャンミンには毎度おかしくて仕方がない。
「義姉さんたちがちょうどいま、舞踏会に……って、なに」
突然ユノがチャンミンのほうに手を伸ばしてきたので、チャンミンは緊張して少し身を固くした。
ユノはひどく真剣な顔をして、服の袖でチャンミンの頬を繰り返しそっと撫でる。くすぐったくて顔を揺らすと、「動かないで」と言うようにユノは左手をチャンミンの右頬に添えた。
こういうときは何を言っても無駄なので、しばらく好きにさせることにする。案の定、まもなくユノは「あれ」とつぶやいて手を離し、照れくさそうにくしゃりと笑った。
「よけい広がっちゃった」
「なにが」
「ああ、よごれがついてて。とれるかと思ったんだけど」
「……またか!」
煤や灰は下手にこすると汚れが広がるだけ。チャンミンはもう何度かユノに伝えているはずなのに、一向に学習する気配がない。
「まあ、いいです」
「あれ」
「それより、ユノ。きょうはどうしたの」
いつもはガミガミ言うチャンミンがあっさりと許したので、ユノは一瞬きょとんとした顔をしたものの、表情を改めて
「実はね」
と胸を反らして言うことには。
「チャンミン、舞踏会に行きたいでしょ?」
「……お?」
「チャンミン、かわいいから、きっと王子さまに見初められるよ!」
目をキラキラさせて満面の笑みを浮かべているユノを見つめ返しながら、チャンミンは昔のことを思い出していた。
ユノはもともと、チャンミンの家に仕える家令の息子だった。父親同士が主従関係にあるとはいえ、年も近かったこともあり、二人は兄弟のようにいつも一緒にいた。
なにがきっかけだったのかは、チャンミンには分からない。妹たちに、二人で絵本を読んであげたときだった。
悪い魔法使いに囚われた姫を、良い魔法使いの協力を得た王子が救い出すという話を読み終えた後、いきなりユノが「魔法使いになる」と宣言したのだった。
ユノは有言実行の男である。
あれよあれよというまに、領内でもっとも有名な魔法使いに弟子入りし、「才能がないから諦めろ」という周囲の制止をはねのけて努力に努力を重ねた結果、いまでは魔法使いの一番弟子として活躍している。
「絶対に魔法使いになるから」帰省するたび囁かれる誓いの言葉。「だから、心配しないで。まっててね」
その目があんまりまっすぐチャンミンを射抜くので、結局いつもチャンミンは「お姫さまを救うのは、王子さまだよ」とは言えなかったのだった。
なんだ、ちゃんと分かってたのか。そりゃそうか。
「別に行きたくありません」
「え、なんで」
「興味ないし」
「遠慮しなくていいんだよ、ぼく、もう立派な魔法使いだから!」
「そこじゃなくて…」
王子さまに見初められたいわけじゃない。ていうか、そもそも……言いかけて、沸き上がった思いにチャンミンは口を閉ざす。
おれが幸せにするって、なんで言えないかな、この人は。それとも、言いたくないのかな。
少し切なくなったチャンミンは、うじうじした思いに蓋をすることにした。
「…ほんとうに、舞踏会に行ける?」
「もちろん!」
「じゃあ、とびきりかわいくしてくださいね」
そう言って上目遣いでユノを見上げれば、ユノはすっと顔をそらし、「まかせて」と言って笑った。
ユノ、ここは突っ込んでほしいところなんだ。
チャンミンは小さくため息をついてから、切り出した。
「ユノ、でも、俺、男なんだけど」
「…あ」
ユノは一瞬ぽかんとしたあと、目元を手で覆って「しまったあ」と情けない声を上げた。
しまったじゃないよ、もう
笑いだしたユノにつられてチャンミンも笑い出すと、調子の乗ったユノが抱きついてきたのでチャンミンはいつもどうり「はなせ!」ともがいて怒鳴るはめになる。
「ねえ、でもほんとうに舞踏会に行きたくない?」
「だから…」
「おいしいご飯とかお酒とか、たくさんあると…」
「行く」
チャンミンは、ユノの言葉にあっさり心変わり。ユノはにっこり微笑んで、「じゃあ、準備しないとね」とウィンクした。
↑以上
タグ:雑文
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