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映画「未来世紀ブラジル」 [映画の感想]

友人が大好きだというので、「未来世紀ブラジル」という映画を観てみました。


社会の歯車としてなんの問題もなく生きてきた小役人が、”運命の女”との出会いをきっかけに転落していく話。
”異分子”となった途端、それまでの”豊かで美しい社会”というメッキがはがれ、その裏に潜んでいた異常性であったり狂気であったりが牙をむき、個人を飲み込んでいきます。ここにはカフカの作品を読んだときにも感じた”気持ち悪さ”があります。

…と書くとなんだかものすごいメッセージ性の高い作品のように思えますが、個人的には「監督はこの世界観を映像化してみたかっただけじゃないか」という印象を受けました。「アウトローな戦う配管工」とかもう、演じるロバート・デニーロが男前すぎて笑うしかないですね。
そういえば以前、タランティーノが「映画はもっとも金がかかる芸術だ」というようなことをインタビューで語っていましたが、この作品はまさにそれかなと思います。


そもそも私、シュールレアリスムが苦手なんです。たとえば、「解剖台の上でのミシンとこうもりがさの不意の出会いのように美しい」というフレーズがありますよね。私はこれに対して即座に、「悲劇的な状況で再会した親子」というストーリーを付与しました。ストーリーを与えないことには理解できない、私の脳みその限界だなとしみじみ思った次第です……まあ、そんなわたしの嘆きはどうでもいいですね。


シュールレアリスム好きにはぐっとくるんじゃなかろうか度:★★★★★

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