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映画「アメリカン・サイコ」 [映画の感想]

競争社会の弊害が具現したようなナルシスト青年が、内なる殺人衝動を押さえされなくなり、人殺しを重ねていく話。

フルティン度:★★★☆☆

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良心の呵責に耐えかね弁護士に罪を告白するも、妄想だと切り捨てられてしまうことで、残っていた罪の意識が喪失し、殺人を正当化するに至る。ただ、クライマックスに向けて徐々に、事実として殺人が行われていたのか、はたまた青年の妄想にすぎないのか、ちょっとよくわからなくなってくるあたり、なかなかよく練られた作りのように思う。なにしろ、殺人動機があまりにもしょうもなく、そして殺人方法から死体の始末までがあまりにも大胆なのである。誰も気づかないのかと疑問を感じつつ、一方で、つまり周囲は個人を個人としてみているのではなく、肩書きだったり衣服だったり名刺だったり、そういった外枠でしか見ていないのであって、だから名前を間違えても気づかないし誰かが突然消息を絶ったとしても気にも留めないのだ、などというふうに解釈もしたくなり、で、結局真相はよくわからない。わかっているのは、青年がどろどろとした恐ろしい衝動を抱えていること、青年の生きる社会が(或いは青年の認識する社会が)ひどく歪んでいること、くらいかな。
一番印象深いシーンは、フルチンでチェーンソーを持って廊下を走るシーンかな。基本、残酷な場面は直接映し出されることはないので、よほど弱い人でない限りは耐えられるはず。



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