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映画「この自由な世界で」 [映画の感想]

レンタルリストに入れていたことすら忘れていた作品。先日自宅に届いたので、見てみました。

監督は、あのケン・ローチ氏。そう思ってタイトルを眺めると、「自由」という言葉のなんという重さ。これ絶対ハッピーエンドじゃないよ…と覚悟して挑みました。


アンハッピーがエンドしない度:★★★★☆





セクハラ上司に水をぶっかけ解雇されたシングルマザーが主人公。三十路、財産といえば”借金”だけ。
彼女は「これがラストチャンスだ」と言って、それまでの経験をいかし移民労働者への職業斡旋業を始めます。彼女が欲していたのは「惨めな生活からの脱却」。利益を追い求めるなかで、彼女は”越えてはいけない一線”を越えてしまいます。

物語の前半では「会社が嘘をついていた」と言っていた彼女が、物語のラストでは彼女自身が明確な意図をもって移民労働者をだまし搾取する側に回っています。冒頭とラストがほぼ同じような場面なんですよね。それだけに、彼女の振る舞いや表情の変化がとても印象的です。

印象的といえば、彼女と彼女の父親が公園のベンチで言い争う場面。「お前と息子が幸せになるために、ほかの人が不幸になってもいいのか」と正論で諭す父親に対し彼女が反論。結局物別れに終わるんですけど、この噛み合わないやり取りが、まるでドキュメンタリーを見ているかのような生々しさで迫ってきます。さすがケン・ローチ監督といったところでしょうか。


本作もそうですが、ケン・ローチ監督の作品て「この”アンハッピー”な日常が続いていくんだな…」と思わせるような終わり方が多い印象があります。エンドマークが付かないというか。社会の問題をえぐり取って作品にするから仕方ないのかもしれません。



とりとめないですが、以上。


朝日新聞に、本作に関する監督インタビュー記事が掲載されていました。
欧州映画「この自由な世界で」 ケン・ローチ監督に聞く
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