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映画「グランド・ブダペスト・ホテル」 [映画の感想]

映画「グランド・ブダペスト・ホテル」を観てきました。
ウェス・アンダーソン監督の作品を観るのは「ダージリン急行」以来なんですが、「ダージリン急行」の日本公開は2008年。えーもうそんなに経つのかーとしみじみしてみたり。

あれ、ハーヴェイ・カイテルだったのかー度:★★★★★

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物語は、入れ子のような構造になっています。
「少女が読んでいる小説世界に、観客が誘われ~」といった体裁で、主たる語り部は2人。主な舞台となるのは1930年代初頭のヨーロッパ。語られるのは、かつて栄華を極めた山の上の高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」のオーナー、グスタヴ・Hについて。

"伝説のコンシェルジュ"グスタヴ・Hは、複雑怪奇な人物です。ホテルマンとしてはやり手。軽薄で計算高く鼻持ちならない面もあれば、愚直で思いやりがあり誠実な面もあります。総じて非常に魅力的。名前が「~・H」というのも面白いですね。ホテルっぽい。

もっとも印象に残っているのは、彼の愛弟子にして後にホテルを引き継ぐことになるベルボーイ、ゼロの「彼の世界は、彼の時代ですでに終わっていた」という台詞。

グスタヴは失われた世界の"幻"をなんとか保ち続けたとかそんな内容が続きます。(うろ覚えですみません。)
この台詞でわたしは「あー」と腑に落ちたんです。

最初のほうでもすこし触れましたが、もともとこの作品は"小説世界へダイブする"という体裁で描かれています。なので、物語全体に漂う"おとぎ話感"はそのための演出だと思っていたんですが、そうではなかったのだと。
劇中ちょいちょい現れる"戦争の影"はすでにいわゆる"文明の明かり"を蹂躙し尽くしており、グランド・ブダペスト・ホテルで繰り広げられる営み自体が"幻影"のようなものだったのだと思ったのです。

……とんちんかんな解釈だったら、スミマセン!でも、そう思ったんですよー。

もうひとつ印象に残っていることといえば、急死した伯爵夫人の親族が一堂に会するシーンですかね。どうやらイノシシが伯爵家の紋章(?用語がちょっとわからなかった…)のようなのですが、部屋のそこかしこにクマの剥製や毛皮が置いてあって、やっぱり「イノシシvsクマ」なのかな…なんて思いました。

とまれ。
どこを切り取っても絵になる画面に、緻密に組み立てられた脚本。豪華な役者陣も見どころの大変面白い作品でした。

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