ついに最終回を迎えたドラマ「野王」、せっかくなのですこし感想を。というか、最終回があまりにアレな内容だったので、なにか書かずにはおれません。
- 東方神起
物語の前半は、「そんな馬鹿な・・・」と思いつつも勢いのある展開に引きつけられましたが、後半に入りその勢いも失速。そうなると物語の粗がよけいに目に付くようになり、さらに我らが御曹司ドフンも物語から退場してしまうと、見る意欲が大幅に減退。しかし「ここまで来たら、最後まで見届けるしかない」と、折れそうな心に鞭を打ちつつ見続けたわけです。
そんな"健気な”心をあざ笑うかのごとき、最終回。見ていて本当につらかったです。
なにが辛いって、内容がスッカスカなんですよ、スッカスカ!もうね、むりやり「全24回」にするためにがんばりました感がハンパない。いや、以前からも多少そういう「引き延ばし感」はありました。それでも最終回ほどではありません。これだっから、話数を減らして最終回を「○分拡大バージョン」といった形式でやれば十分だと思います。
まあね、分かりますよ、「大人の事情」。24回にしないといけなかったんですよね、わかりますわかります。だったら「大人の仕事」で上手に24回に配分しろと、まあそういうことですよ。
また、単に内容が薄いだけではなく、無理矢理「大団円」風にオチをつけるのも気に入りません。
一番「なんだよ、それ」と思ったのが、ヒロイン(ダヘ)の力を借りて大統領になったソク・テイルという男の扱いでしょうか。
このソク・テイルという男、腹黒くて卑怯で、なにより器の小さい男なんです。もともと財閥ペクハクグループの顧問弁護士だったのですが、会長を欺き弱みを握ってソウル市長にのし上がり、市長時代は汚職まみれ、大統領出馬を巡ってはダヘと手を組みやりたい放題。はじめはダヘにヘコヘコしていたくせに、形勢逆転となった途端いきなり態度を豹変してでかい顔をしだします。
このように、その時々に応じて卑屈になったり尊大になったりするわけですが、それがヒールならではの「強かさ」というよりは「ちっせえ男だな!」としか思えないあたり、ある意味"主役を喰わない絶妙の役回り"と誉めるべきところなのかもしれませんけど…。
ともあれ、ドラマで描かれている部分はどこを切り取っても「悪い奴」なんです。かつては「高潔な男」だったそうですが、それも娘の口を通して語られるだけ(「高潔だったころのお父さんはどこにいったの」的なざっくりしたもの)なので、見ているこちらはちっとも実感がありません。
それだけに、最終回での「娘の説得で高潔だったころのソク・テイルに戻りました」というオチには本当に納得がいきません。
…見始めた当初は、ソク・テイルについてこんなに語る日が来るとは思いもしませんでした。人生ってわからないものですね。
さて、以下はちょっと取り留めないことを。
物語のなかで、ちょっと意外なほど登場してきたのが、日本料理店。なにかで読んだのですが、実際に韓国では、政治的な会合などで使われることがよくあるそうです。でも、浮世絵の美人画風イラストが飾ってあったり店員が着物であって着物でない何かを着ていたり、ちょっとした「これじゃない」感が面白かったです。
そういえば、何話目かでドフンがダヘに買っていった軽食は、たしか寿司でした。2人で寿司を食べるシーンでは、ドフンがご飯粒を口からこぼしているのを見て「撮り直さないんだ」とちょっと新鮮に思ったことも懐かしい。
ダヘを追いつめるため、主人公のハリュが利用したのが「世論」。世論を味方にするために使ったのがWEB漫画だというのが韓国らしいなあと思いつつ、世論がひとつの方向にがーっと動くところも、良くも悪くも「韓国らしさ」なんでしょうかね。マイノリティは生きていくの大変そう、ってまあ、日本も外からはそう見えているのかもしれませんけど。
ハリュがダヘに対し繰り返し求める「己の行為を心から悔い、詫びろ」というのも、いろいろ考えさせられるものがありました。
「心から詫びてます」と伝えるのって難しいですよね。詫びる側がどんなに真摯に謝罪していたとしても、相手がそれを受け取め許そうとしない限りは永遠に終わりません。
ダヘの場合は…うーん、ハリュは謝罪に加えて「ダヘが野心を捨てて昔の生活に戻ること」を求めていたので、あんなにこじれちゃいましたね。
ハリュの執着があったからこそ、事態は悪いほうへ悪いほうへと転がっていきました。そもそも最初からダヘに罪を償わせていれば良かったわけで、だからダヘとハリュは同罪なんですよね。
ドフンについて、ほとんど書いてませんね。アイスホッケー姿がもうほんとうに格好良くてですね。学生時代のドフンは、父親との確執はあったものの基本的に明るいオーラが出ていて、こりゃモテモテじゃろといった感じでした。友人にシスコンとからかわれると言ってスネるところとか、かわいかったですしね。ダヘが関わるようになってから意固地になって、徐々に暗くなっていくのが切なかったです。
最後の最後で、高校生時代を演じるという爆弾が待ちかまえていて、見ているこちらもびっくりです。制服のズボンがちょっと野暮ったいデザインなんですよね。場面的には号泣なんですが、泣きながら「そのズボンはないわぁ…」と頭の隅で突っ込みました。
ユノユノ氏は学ランが似合うと思うんですよ。日帝残滓とか言わずにどうか、どうか…って、私が学ラン好きなだけです。スミマセン!
てなところで、ひとまずこれにて。
そんな"健気な”心をあざ笑うかのごとき、最終回。見ていて本当につらかったです。
なにが辛いって、内容がスッカスカなんですよ、スッカスカ!もうね、むりやり「全24回」にするためにがんばりました感がハンパない。いや、以前からも多少そういう「引き延ばし感」はありました。それでも最終回ほどではありません。これだっから、話数を減らして最終回を「○分拡大バージョン」といった形式でやれば十分だと思います。
まあね、分かりますよ、「大人の事情」。24回にしないといけなかったんですよね、わかりますわかります。だったら「大人の仕事」で上手に24回に配分しろと、まあそういうことですよ。
また、単に内容が薄いだけではなく、無理矢理「大団円」風にオチをつけるのも気に入りません。
一番「なんだよ、それ」と思ったのが、ヒロイン(ダヘ)の力を借りて大統領になったソク・テイルという男の扱いでしょうか。
このソク・テイルという男、腹黒くて卑怯で、なにより器の小さい男なんです。もともと財閥ペクハクグループの顧問弁護士だったのですが、会長を欺き弱みを握ってソウル市長にのし上がり、市長時代は汚職まみれ、大統領出馬を巡ってはダヘと手を組みやりたい放題。はじめはダヘにヘコヘコしていたくせに、形勢逆転となった途端いきなり態度を豹変してでかい顔をしだします。
このように、その時々に応じて卑屈になったり尊大になったりするわけですが、それがヒールならではの「強かさ」というよりは「ちっせえ男だな!」としか思えないあたり、ある意味"主役を喰わない絶妙の役回り"と誉めるべきところなのかもしれませんけど…。
ともあれ、ドラマで描かれている部分はどこを切り取っても「悪い奴」なんです。かつては「高潔な男」だったそうですが、それも娘の口を通して語られるだけ(「高潔だったころのお父さんはどこにいったの」的なざっくりしたもの)なので、見ているこちらはちっとも実感がありません。
それだけに、最終回での「娘の説得で高潔だったころのソク・テイルに戻りました」というオチには本当に納得がいきません。
…見始めた当初は、ソク・テイルについてこんなに語る日が来るとは思いもしませんでした。人生ってわからないものですね。
さて、以下はちょっと取り留めないことを。
物語のなかで、ちょっと意外なほど登場してきたのが、日本料理店。なにかで読んだのですが、実際に韓国では、政治的な会合などで使われることがよくあるそうです。でも、浮世絵の美人画風イラストが飾ってあったり店員が着物であって着物でない何かを着ていたり、ちょっとした「これじゃない」感が面白かったです。
そういえば、何話目かでドフンがダヘに買っていった軽食は、たしか寿司でした。2人で寿司を食べるシーンでは、ドフンがご飯粒を口からこぼしているのを見て「撮り直さないんだ」とちょっと新鮮に思ったことも懐かしい。
ダヘを追いつめるため、主人公のハリュが利用したのが「世論」。世論を味方にするために使ったのがWEB漫画だというのが韓国らしいなあと思いつつ、世論がひとつの方向にがーっと動くところも、良くも悪くも「韓国らしさ」なんでしょうかね。マイノリティは生きていくの大変そう、ってまあ、日本も外からはそう見えているのかもしれませんけど。
ハリュがダヘに対し繰り返し求める「己の行為を心から悔い、詫びろ」というのも、いろいろ考えさせられるものがありました。
「心から詫びてます」と伝えるのって難しいですよね。詫びる側がどんなに真摯に謝罪していたとしても、相手がそれを受け取め許そうとしない限りは永遠に終わりません。
ダヘの場合は…うーん、ハリュは謝罪に加えて「ダヘが野心を捨てて昔の生活に戻ること」を求めていたので、あんなにこじれちゃいましたね。
ハリュの執着があったからこそ、事態は悪いほうへ悪いほうへと転がっていきました。そもそも最初からダヘに罪を償わせていれば良かったわけで、だからダヘとハリュは同罪なんですよね。
ドフンについて、ほとんど書いてませんね。アイスホッケー姿がもうほんとうに格好良くてですね。学生時代のドフンは、父親との確執はあったものの基本的に明るいオーラが出ていて、こりゃモテモテじゃろといった感じでした。友人にシスコンとからかわれると言ってスネるところとか、かわいかったですしね。ダヘが関わるようになってから意固地になって、徐々に暗くなっていくのが切なかったです。
最後の最後で、高校生時代を演じるという爆弾が待ちかまえていて、見ているこちらもびっくりです。制服のズボンがちょっと野暮ったいデザインなんですよね。場面的には号泣なんですが、泣きながら「そのズボンはないわぁ…」と頭の隅で突っ込みました。
ユノユノ氏は学ランが似合うと思うんですよ。日帝残滓とか言わずにどうか、どうか…って、私が学ラン好きなだけです。スミマセン!
てなところで、ひとまずこれにて。